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『スターシップ・トゥルーパーズ』(1997)|ホラー×SF好きの紗希が語る「バーホーベン流ミリタリーSF映画」

こんにちは、藤宮・アーク・紗希です。

今月からAmazonプライムで吹き替え版が配信スタートした『スターシップ・トゥルーパーズ』。ホラーとSFが好きな私としては、どうしても外せない一本なんです。表面的には宇宙戦争アクションですが、その奥には“風刺”や“皮肉”がたっぷり。今日はそんな本作の魅力を、じっくりご紹介しますね。

基本情報

あらすじ(ネタバレ控えめ)

舞台は未来の地球。人類は全体主義的な軍事国家体制を築き上げ、若者たちは「市民権」を得るため軍隊に志願します。

リコ(キャスパー・ヴァン・ディーン)もその一人。過酷な訓練を経て、やがて昆虫型の巨大異星人“バグズ”との全面戦争へと投入されることに。

銃火器と兵士たちの勇猛さで挑むものの、バグズの圧倒的な数と凶暴さは想像を絶していて――。

見どころポイント

1. バーホーベン×ティペットの異色コラボ

ロボコップ』で知られるポール・バーホーベン監督と、ストップモーションや特殊効果の巨匠フィル・ティペットが再タッグ。昆虫型エイリアンの動きや質感は、当時としては驚異的なリアリティで描かれています。

2. グロテスクな戦闘シーン

兵士が次々とバグズに切り裂かれ、貫かれる描写はかなり残酷。アメリカでは**R指定(成人指定)**となり、ミリタリーSFでありながらホラー映画のような生々しさが光ります。

3. 大赤字でも生き残った“カルト映画”

巨額の製作費を投じながら興行的には大失敗。しかし、その挑発的な内容や独特の映像世界が熱心なファンを生み、いまではシリーズ化されるほどのカルト的な人気を獲得しました。

 

原作はロバート・A・ハインラインの名作SF小説『宇宙の戦士』。ところが、バーホーベン監督本人は「原作を途中で読むのをやめた」とインタビューで語っています。つまり映画版は“原作改変”どころか、ほとんどオリジナルの風刺映画として作られたんです。軍国主義プロパガンダを皮肉る視点で観ると、また違う味わいがありますよ。

スターシップ・トゥルーパーズ』は、ただのエイリアン戦争映画ではありません。グロテスクな戦闘描写に圧倒されつつも、社会風刺やブラックユーモアがじわじわ効いてくる、不思議な後味を残す一本です。